ごあいさつ
私は、これまで看護師として重症心身障害児(者)施設で働いてきました。
医療技術の発達は日進月歩で、昔は助からなかった命が今は助かる時代になりました。ところが、命は助かったものの手足の麻痺が残っているとか、胃ろうを造設している等、なんらかの医療と過ごしていかなければいけない障害者が増えているのも事実です。
社会制度や倫理的な議論が追いつかないままに医療は発達し、社会資源の乏しいなか在宅への移行をすすめる国の方針に困惑し、当事者である患者や障害者は、さまざまな問題に直面しているように思えます。
何が正しくて、何が間違っているのか、私には分かりません。しかし、医療と福祉の間でさまざまな矛盾が生じているのは事実であり、これはある意味で社会問題だと思います。
医療ケアを伴うために、外出が難しいとか、活動が制限される… まさに医療技術がもたらした光と影です。
これらのことは、私一人の行動で解決できる問題ではありませんが、少しでもそのような困った方の手助けをし、社会の矛盾に対峙していきたい。それが事業を開設しようとしたきっかけです。
ラピスラズリでは、医療ケアの必要な重度の障がい者も利用が可能な生活介護事業所です。
レクリエーションやリハビリはもちろんのこと、五感を刺激したかかわりもとり組んでいきたいと思います。
具体的には、農作物の栽培を通じて土や水、草木の感触、におい、温度など様々なことを感じたり、楽器の演奏や調理、ライフステージに応じた生活体験(ランチに出かけるとか大学祭を見学する等)のかかわりを考えています。
ラピスラズリの体験が、充実した人生の一助となれば幸いです。
ラピスラズリ
管理者 兼 サービス管理責任者
伊 藤 邦 晃